ガス給湯器のメンテナンスを業者に依頼するメリット!具体的にどんなことをしてもらえる?
ガス給湯器をなるべく長く使うためには、業者による「メンテナンス」や、自分で行う「お手入れ」が有効です。
ただ、業者によるガス給湯器のメンテナンスは、基本的に有料となるため、「お金をかけてまで行う価値があるの?」という疑問を持たれることがあります。
結論から述べると、ガス給湯器のメンテナンスは(たとえ有料であっても)業者に依頼するメリットがあります。
安全性を確認する保安点検(詳しくは後述)では通常行わない、徹底的な点検・整備・修理を行うことによって、給湯器が長持ちしやすくなるのです。
今回の記事では、「業者によるガス給湯器のメンテナンスとは何なのか」を詳しく解説し、そのメリットや具体的な作業内容を紹介します。
また、ガス給湯器を長持ちさせるために日々行うとよい、お手入れ(清掃)の方法についても、簡単に説明します。
なお、言葉が似ているので混乱しないように、簡潔に定義をまとめておきます。
- 定期保安点検
ガス事業法に基づき行われる、4年に1回以上の安全点検(調整・修理・部品交換は実施しない)
詳しくは以下のコラムをご参照ください。
→ ガスの法定点検とは?よくある不安や疑問についても解説 - 無料点検
定期保安点検とは別に、業者が行う無料の点検(調整・修理・部品交換は実施しない) - メンテナンス
業者が行う給湯器の点検・調整など - お手入れ
自分で行う給湯器の清掃
業者にガス給湯器のメンテナンスを依頼するメリット
業者にガス給湯器のメンテナンスを依頼するメリットは、専門知識を持った技術者が点検を行うことで、正確な診断を受けられることです。
これによって給湯器の故障を未然に防ぐことができます。
「給湯器がある日突然壊れる」という事態を防ぐためには、給湯器のメンテナンスを適切に行うことが大切です。
ガス給湯器のメンテナンスを怠ると、
- 異音がする
- お湯の温度が安定しない
- 追い焚きができない
といった問題が発生しやすくなり、最終的には“完全な故障”に至ることがあります。
ガス給湯器が完全に故障すると、修理費用が高額になりがちです。
業者によるガス給湯器のメンテナンスの内容
- 水漏れの点検
- 燃焼状態の点検
- ガス漏れの点検
- 配管および電気配線の点検
- 必要に応じた部品の調整
- 必要に応じた部品の交換 ※別途費用となることが多い
上記が、業者によるガス給湯器のメンテナンスの内容です。
なお、ガス給湯器の「清掃」については、メンテナンスに含まれていないことが多く、給湯器を所有する人(お客さま)がご自身で、できる範囲で行うことになります。
「どのようにガス給湯器の清掃を行えばいいのか分からない」という人は、次の項目をご確認ください。
自分でできるガス給湯器のお手入れ方法
専門的な知識・技術がなくても、ガス給湯器に対してできることはあります。
それが、ガス給湯器の日々のお手入れ(清掃)です。
「機器の外装」のお手入れ方法
機器の外装は、定期的な水拭きを行うとよいです。
水拭きだけでは取れない汚れがある場合には、台所用の中性洗剤を使用してみましょう。
汚れを拭き取った後は、乾いた布を使い、機器全体の水気を拭き取ります。
「ストレーナー」のお手入れ方法
ガス給湯器のストレーナーは給湯器の水抜き栓の中に取り付けられています。
このストレーナーにゴミが詰まっていると、お湯の出が悪くなるため、歯ブラシなどを用いて水洗いで掃除しましょう。
お手入れ中に、外した部品を紛失しないように、注意してください。
「追い焚き配管」のお手入れ方法
追い焚き配管とは、浴槽と給湯器をつなぐ配管で、浴槽の水を吸い込んで給湯器内で温め、再び浴槽に戻す際に水が通る配管です。
配管内部に汚れや雑菌がたまる場合があるため、定期的な掃除やメンテナンスが必要です。
ガス給湯器の追い焚き配管については、自動洗浄できる機器が増えています。
自分で洗浄する場合は、以下の手順で行ってください。
- 循環金具の上、約5センチのあたりまで水またはお湯を貯める。
- 貯めたお湯に風呂釜洗浄剤を投入し、よくかき混ぜる。
- 追い焚きし配管内の洗浄をする。
- 追い焚きが終わったら、そのまま1時間程度つけおきをする。
- お湯を抜き、再度追い焚きをして配管内をすすぐ。
- フィルターキャップを外し、ブラシで擦って洗う。
- 溜めた水を捨て、浴槽をシャワーでしっかり流し、フィルターキャップを取付ける。
★風呂釜洗浄剤の使用に際しては、注意書きをよく読み、正しくご使用してください。
「循環金具」のお手入れ方法
ガス給湯器の循環金具は、“浴槽に付いている丸い部品”です。
浴槽の循環金具は、表面の汚れを水で濡らした布で拭いて、付着したゴミを取除きます。
そしてフィルターも取外して、ブラシなどで掃除し、詰まりを解消しましょう。
掃除をした後は、必ず元通りに取付けてください。
「給気口・排気口」のお手入れ方法
ガス給湯器の給気口・排気口にホコリやゴミが詰まっていると、不完全燃焼を起こしてしまうおそれがあります。
乾いた布や小さいモップなどを使って、詰まりを解消しましょう。
なお、排気口に煤(すす)が付いている場合があります。
この場合は、機器内部で不具合が起きている可能性があり、煤を綺麗に取り除くことも難しいため、一度業者に相談することをオススメします。
ガス給湯器の「定期保安点検」は「メンテナンス」とは別
ガス給湯器の「定期保安点検」とは、ガス事業法に基づいて行われる無料点検のことを指しますが、これは「メンテナンスとは別」と考えたほうがよいです。
定期保安点検では、“安全性の確認”を目的として、ガス配管の漏洩検査・給排気設備の検査などが行われます。
しかし、部品の交換・調整などの具体的なメンテナンス作業は、定期保安点検では行われないことが多いです。
点検の“結果として”、必要なメンテナンス作業が提案されることになります。
【まとめ】適切なメンテナンスを行うことで給湯器は長持ちしやすい
以上、ガス給湯器のメンテナンスを業者に依頼するメリットは何なのか、具体的にどんな作業を行うのかといった、情報をお届けしました。
ガス給湯器をなるべく長く使うためには、業者による「メンテナンス」と、自分で行う日々の「お手入れ」が有効です。
なお、ガス給湯器のメンテナンスにかかる費用は、「10,000円~20,000円」です。
点検の結果、給湯器の部品の交換や、機器自体の交換を行う場合は、別途費用がかかります。