給湯器のお湯が出るのが遅い!よくある原因・自分でできる対処方法とその順番
「給湯器のお湯が出るのが遅い!」と感じることはありませんか?
早い・遅いの感覚は人によって異なりますが、水栓を開けてから1分以内にお湯が出てこないと、「遅い」と判断できます。
また、「以前はもっと早くお湯が出ていたのに、最近遅くなった」とお悩みの人もいるでしょう。
そこで今回は、“実際によくある”給湯器のお湯が出るのが遅い原因と、自分でできる対処法・業者でできる対処法について、紹介します。
「お湯が出るのが遅いことと、給湯器の寿命は関係あるのか?」という疑問にもお答えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも、給湯器のお湯は「水栓を開けてすぐ」には出ない
そもそも、給湯器のお湯は水栓(蛇口)を開けてすぐには出ないものです。
理由は、給湯器と水栓の間の「給湯配管」に、水が残っているからです。
水栓を開けると、給湯器が燃焼を始めお湯を作りますが、給湯器から先の給湯配管に残っている水は、給湯器を通らないため、お湯にすることができません。
給湯配管に残っている水が水栓から出尽くすまでは、水が出てきます。
これを「捨て水」と言い、お湯が出るまでの時間を「湯待ち時間」と言います。
上記の現象は給湯器の劣化状況に関係なく起こるもので、給湯器の故障ではありません。
実際によくある、給湯器のお湯が出るのが遅い9つの原因
給湯器のお湯が出るのが遅いことには、様々な原因があります。
以下では、“実際によくある”給湯器のお湯が出るのが遅い原因を9つ、まとめました。
- 給湯器と水栓の距離が遠い
- 水圧が低い(水量が少ない)
- 給湯器の号数が小さい
- 外気温もしくは水温が低い
- 給湯配管に保温材が巻かれていない
- 節水式の水栓を取り付けている
- 2箇所以上の水栓を同時に使用している
- 給湯器が故障している
- 水栓が故障している
【1】給湯器と水栓の距離が遠い
給湯器と水栓の距離が遠いと、先述した「湯待ち時間」が長くなります。
【2】水圧が低い(水量が少ない)
水圧が低い(水量が少ない)と、流速が遅いために「湯待ち時間」が長くなります。
【3】給湯器の号数が小さい
小さい給湯器は、大きい給湯器と比較すると、お湯を沸かす能力が弱いため、設定温度に達するまでに時間がかかります。
【4】外気温もしくは水温が低い
夏と冬では気温が違い、それによって給湯器の中の水の水温も違います。
夏よりも冬のほうが、お湯になるまでに時間がかかります。
【5】給湯配管に保温材が巻かれていない
給湯器と水栓の間には、配管があります。
屋外で露出している配管に保温材が巻かれていない場合、お湯が配管を通る間に、冷えてしまうことがあります。
【6】節水式の水栓を取り付けている
節水式の水栓を取り付けていると、水量が少なくなり、お湯が出るまでに時間がかかる(湯待ち時間が長くなる)ことがあります。
【7】2箇所以上の水栓を同時に使用している
キッチンとお風呂など、2箇所以上の水栓を同時に使用すると、お湯が出るまでに時間がかかったり、お湯の温度が安定しなかったりすることがあります。
【8】給湯器が故障している
いくら待ってもお湯が出てこず、リモコンにエラーコードが表示されている場合などは、給湯器が故障している可能性が考えられます。
なお、給湯器のエラーコードには、様々な意味があります。
以下のコラムを参考にしてみてください。
⇒ ノーリツの給湯器のエラーコード一覧!「888」などの原因・対処方法
【9】水栓が故障している
たとえばお風呂の水栓には、「サーモスタット」という温度設定の部品が付いています。
この部品が故障していると、たとえば「40℃で設定しているお湯が30℃でしか出てこない」といった現象が起きます。
給湯器のお湯が出るのが遅い時に自分でできることと、試す順番
- 水栓のフィルター・給湯器のフィルターを掃除する
- 節水式の水栓を取り付けている場合、外してみる
- 給湯配管に保温材を巻く
上記は、給湯器のお湯が出るのが遅い時に、自分でできることです。
【1】から【3】の順番で、試していくとよいです。
すべて試してみても、お湯が出るのが遅いことが解決しない場合は、給湯器もしくは水栓の故障の可能性が高いため、業者に点検・修理・交換を依頼しましょう。
【1】水栓のフィルター・給湯器のフィルターを掃除する
水栓のフィルターや給湯器のフィルターが詰まっていると、通常よりお湯が出るのが遅くなることがあります。
上の写真のように、水栓の先にネジ式のフィルターが付いていたら、取り外して洗ってみましょう。
また、給湯器のフィルターとは、水抜き栓のフィルターのことです。
フィルターの掃除は、以下の手順で行います。
- 給水元栓を閉める
- 水抜き栓をゆるめて機内の水を排出する
- フィルターを外し、ゴミを洗い流す
- 各部品を元通り組付ける
フィルターを水抜き栓の中に差し込む際は、突起部が水抜き栓の内部壁面にあるへこみ部に合うようにしましょう。
突起部がへこみ部に入り込まないと、フィルターが水抜き栓の中に完全に入らず、水漏れの原因となります。
詳しくは取扱説明書をご確認ください。
【2】節水式の水栓を取り付けている場合、外してみる
節水式の水栓を取り付けている場合、外してみましょう。
節水式の水栓が原因でお湯の出が悪くなっている場合は、改善されることが多いです。
その場合は、節水式でない水栓に交換することで、お湯の出は改善されます。
【3】給湯配管に保温材を巻く
屋外に給湯器があって、給湯配管に保温材を巻いていない場合は、保温材を巻いてみましょう。
配管用のチューブ状・テープ状の保温材は、ホームセンターなどで入手することができます。
保温材を巻く時は、「隙間を作らないようにする」ことがポイントです。
給湯器のお湯が出るのが遅い時に、業者ができること
先述した、「給湯器のお湯が出るのが遅い時に自分でできること」をやっても、お湯の出が改善しない場合は、業者の出番です。
業者は給湯器の状況から判断し、以下のような作業を行います。
- 給湯器の修理をする
- 給湯器の交換をする ※場合によっては号数をアップする
- 給湯器を移設する
- 水圧が低い場合、給水加圧ポンプを取り付ける
給湯器の移設について
給湯器と水栓の距離が遠すぎて、お湯が出るのが遅い場合、給湯器を移設することで改善することがあります。
たとえば、「お風呂が1番早くお湯が出てほしい」場合は、お風呂の近くまで給湯器を移設します。
なお、お家が広い場合は、給湯器を分けて用意するのも1つの手段です。
給水加圧ポンプとは?
給水加圧ポンプとは、給水配管に接続・加圧して、十分な水圧で水を供給するためのポンプです。
給湯器のお湯が出るのが遅いことと、給湯器の寿命は関係ある?
給湯器の経年劣化が進むと、お湯の温度が安定しなくなったり、以前よりもお湯が出るのが遅くなったりすることがあります。
よって、「給湯器のお湯が出るのが遅いことと、給湯器の寿命は関係がある」と言えるでしょう。
給湯器の寿命(耐用年数)は、一般的に約10年とされています。
しかし実際は、使用7〜8年でエラーが出て止まることもあります。
10年を越えて使用している給湯器については、修理用の部品がないことが多く、その場合は給湯器を新しく交換することになります。
給湯器のパワーが足りずにお湯が出るのが遅くなっている場合は、交換に伴い給湯器の号数アップを検討することをオススメします。
まとめ
以上、給湯器のお湯が出るのが遅い場合によくある原因や、自分でできる対処方法などをお伝えしました。
「水栓を開けてすぐお湯が出ない」ことは、給湯器の仕組み上、普通のことです。
しかしその「普通」の限度を超えて、お湯が出るのが遅い場合には、様々な原因があります。
- 給湯器と水栓の距離が遠い
- 水圧が低い(水量が少ない)
- 給湯器の号数が小さい
- 外気温もしくは水温が低い
- 給湯配管(特に露出部)に保温材が巻かれていない
- 節水式の水栓を取り付けている
- 2箇所以上の水栓を同時に使用している
- 給湯器が故障している
- 水栓が故障している
上記のような原因が考えられますが、特定することは難しく、自分でできることも限られているため、一度業者に給湯器を見てもらうことをオススメします。