ガス警報器はいらないって本当?CO検知機能付きガス警報器の重要性など解説
ガス漏れにいち早く気付き、大きな事故に繋がることを防ぐために必要なものが、ガス警報器です。
しかし一般家庭においては、現状ガス警報器の取付けは義務ではありません。
よって、「ガス警報器はいらないのでは?」と考える人が多くいらっしゃいます。
結論から述べると、確かにガス警報器の取付け義務はありませんが、ガスを扱う会社のほとんどが、ガス警報器の取付けを推奨しています。
今回のコラムでは、「ガス警報器はいらない?」と考えられる背景、そしてガス警報器の必要性やよくある思い違いなどを解説していきます。
「ガス警報器はいらない?」と考えてしまう理由・背景
ガス会社は、安全のためにガス警報器の設置を強く推奨しています。
しかし、あくまで推奨の域であり、火災警報器と違ってガス警報器は設置が義務化されていない商品です。
そのため本当に必要なものかどうか判断できない人が、多くいらっしゃるのだと思われます。
「5年間(ガス警報器の有効期限)、1度も鳴ることがないのでは?」と思う人もいらっしゃいます。
しかし実際のところ、ガス警報器工業会のWebサイトによると、平成22年度のアンケート調査では、「2,489世帯のうち535世帯でガス警報器が鳴った」という結果になっています。
ガス利用者世帯は約5,200万世帯です。
割合から言えば約470万世帯の警報が発せられたことになりますが、事故件数はこれほど多くはないため、ガス警報器のおかげで事故を未然に防げているということでしょう。
また、ガス警報器がいらないと感じる理由について、「ガス漏れしていたらニオイで気付く」と思っているから、という理由も挙げられます。
しかし実際は、ニオイが届かない場所にいる際(キッチンから遠い寝室などで就寝中の場合など)にはニオイに気付きにくいことが多々あります。
さらに、ガス警報器がいらないと思われる理由を挙げると、「外出中に鳴っても意味がない」と思っているから、ということがあります。
実際は外出中の検知(=警報作動)は有効で、ご近所の方が音に気付いて通報してくれることがあります。
ガス警報器が本当にいらないケース
ガス警報器が本当にいらないケースは、オール電化住宅などガス栓がない家に住んでいるケースです。
「ガス栓はあるけど、ガス機器は使用していない」という家でも、使っていないガスの元栓からガス漏れするケースはあり得るため、そういった場合はガス警報器を取付けておいたほうがよいでしょう。
ガス警報器の取付けは義務ではないが推奨されている理由
ガス漏れ事故は、ゼロではありません。
経済産業省の都市ガス事故事例一覧によると、ガス漏れによる事故は、毎年一定数の割合で報告されています。
先にも述べたように、ガス漏れはガス漏れ箇所から離れた部屋にいる場合、ニオイがあってもなかなか気付けないことが多いです。
そんな時でも、ガス警報器の警報が正しく作動すれば、「ガス漏れだ!」ということに、いち早く気付くことができます。
ガスによる事故から、大切な家族や家を守るためにも、ガス警報器は必要です。
CO検知機能付きのガス警報器の取付けを特に推奨
ガス漏れだけでなく、ガスの不完全燃焼によって発生する一酸化炭素も非常に危険です。
火災などで命を落とす人の多くが、一酸化炭素中毒になっています。
一酸化炭素はガスと異なり無色無臭のため、CO検知機能を搭載した警報器でしか検知することができません。
よって、CO検知機能が付いているガス警報器を取付けることを推奨します。
特に、室内でガスコンロやガスファンヒーターなどのガス燃焼機器を使用している場合は、CO検知機能付きのガス警報器を設置することを推奨します。
停電時にも作動する電池式のガス警報器
電池式のガス警報器であれば、災害時に停電しても問題なく作動します。
ガス警報器には様々な機器がありますが、コンセントに繋ぐ必要がない電池式(5年間交換の必要なし)の、CO検知機能付きガス警報器が特におすすめです。
電池残量が少なくなると、アラームが鳴るので、そのタイミングで電池を交換します。
ガス警報器についてよくある勘違い
「ガス警報器はいらない」ということ以外にも、ガス警報器については様々な勘違いがあるようです。
その一例を以下で、取り上げます。
- 自分で取り付けられるのでは?
- 有効期限がないのでは?
- ガス警報器のようなものが既に付いているので不要では?
- ガスしか検知しないのでは?
- 停電したら使えないのでは?
【1】自分で取り付けられるのでは?
「自分で取付けできそう」という声もあります。
しかしガス警報器はお使いのガスの種類によっては適切な取付け位置が異なります。
たとえば、都市ガスは空気より軽いため、ガス機器より高い位置に取付けますし、プロパンガスは空気より重いため、ガス機器より低い位置に取付けます。
正しい位置に取付けないとガス警報器は正しく作動しないため、やはりガス販売事業者などの専門家に任せることが1番安心だといえます。
【2】有効期限がないのでは?
ガス警報器には、5年という有効期限があります。
警報器の中に組み込まれているセンサーの寿命を考慮し、品質保証テストを繰り返し行った結果、「ガス警報器の有効期限は5年」と決められています。
ガス警報器の有効期限が過ぎると、万が一のガス漏れの際に、警報器が正しく作動しない可能性があります。
当社で取り扱っているガス警報器は、ガス警報器の有効期限が近づいたら、リースの場合でも買取の場合でも、お客さまにご案内させていただいております。
そのため、ご自身で有効期限をチェックする必要はありません。
【3】ガス警報器のようなものが既に付いているので不要では?
「ガス警報器らしきものが既に付いている」という声もよく聞かれます。
しかしその警報器は、ガス警報器ではなく、取付けが義務づけられている火災報知器かもしれません。
形状や取付け場所だけで判断するのは難しいので、分からなければガス販売事業者などの専門家に相談してみましょう。
あわせて、各警報器の使用状況(何年くらい使っているかなど)も調べてもらえば、より安心できます。
なお、ラベルなどの表示がない警報器や、有効期限が過ぎている警報器は、ただちに取替えることを推奨します。
【4】ガスしか検知しないのでは?
ガス警報器には、
- ガスだけ検知するタイプ
- ガスとCO(一酸化炭素)を検知するタイプ
- ガスとCOと煙を検知するタイプ
- ガスとCOと熱を検知するタイプ
など、ガスだけではなくCO、そして煙や熱を検知する様々な種類があります。
取付けにあたって、よく確認しておきましょう。
【5】停電したら使えないのでは?
先にも述べたように、ガス警報器には電池式(コンセントに繋がなくてもよい)があります。
この電池式を選べば、もし停電しても、問題なく警報は作動します。
ガス警報器はどこに・どうやって取付ける?
ガス警報器には、天井取付けタイプと壁掛けタイプがあります。
天井取付けタイプは、集合住宅に多いです。
- 壁掛けタイプ:壁にフックを付けて、そこに引っ掛ける
- 天井取付けタイプ:天井のベースに取付ける
ガス警報器が正常に作動するための設置場所(コンロからの距離など)は決まっており、専門知識を持たない人がその決まりをすべて把握して、取付けることは難しいです。
よって、ガス警報器を自分で取付けるのではなく、専門知識を持つ者に取付けてもらうことを推奨します。
まとめ
以上、「ガス警報器はいらない?」と思う人に向けて、ガス警報器の必要性や、よくある思い違いなどを解説してきました。
ガス販売事業者の視点では、ガスを海外から輸入し、お客さま宅に届けるまで、最善をつくして安全にお届けするための仕組みを講じております。
ご家庭のガス警報器は、ガスを安全にご利用いただくための最後の砦になる位置づけとなっています。
是非すべてのお客さまに、ガス警報器の取付けをしていただき、ガスの安全なご利用を実現いただきたいと思っております。
また、当社東急でんき&ガス サポートでもガス警報器の設置を実施しております。
ご興味をお持ちでしたら、お気軽に電話またはメールフォームよりご相談ください。